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がんばれビルバオ

■がんばれビルバオ
 銀と灰が交差する山肌をさらして切り立つピレネー山脈。その向こうはフランス。越えると、豊かな山地と白壁に赤屋根が点在する集落が見えてくる。進むその先は大西洋。ここはスペインでもフランスでもない、バスク。
 ビルバオは案外大きくて、35万人が住んでいます。最近までは、ここから1時間も電車に乗れば着くゲルニカが有名でしたが、今やビルバオはスマートな都市として世界に名を轟かせています。しょぼくれた鉄鋼の町がアートと建築で再生したというのです。
そのシンボル、グッゲンハイム美術館。
私が訪れたグッゲンハイムはNY、ベネチアに次いで3つめですが、やはりフランク・ゲーリー設計のこのチタニウムが圧倒的。目の当たりにすると、その輝きに押し潰されます。
バルセロナがサグラダ・ファミリア一発で名を轟かせるのと同様、ここもこのネルビオン河畔の戦艦で世界にアピールしています。「建築」の力です。建築で町おこしの例は他にもありますが、轟かせるにはこれくらい強烈で、巨大でなければなりません。実際、内部の作品は大したことはありません。
こういう巨艦ハードウェア一発による町おこしは西洋的ですね。田舎道を辿ると、突然、教会の尖塔が現れて町が出没する、その教会の存在じたいが町の定義であるヨーロッパでは、町のアイデンティティを建物で表すのも自然なのでしょう。
日本には不向きです。東京は東京タワーでは代表できず、京都は金閣寺では表せない。より小型のシンボルが分散していて、細工、調度品、おもてなし、数々のソフトウェアによってアイデンティティが示される、総合発信モデルですから。
日本の地方都市にも城はあるわけですが、城は征服の残滓であり、かしづく相手です。ここにしろ、ミラノのドゥオモにしろ、パリのノートルダムにしろ、自らあがめる対象ですよね。日本の場合、彦根城より「ひこにゃん」なのでしょう。
 
ただしビルバオはアートの街。
デザインの種が偏在しています。
遊具のデザインだって、ほらキュート。
公衆トイレもクール!
ここにセガのおしっこサイネージを取り付ける邪念にとらわれるのは、私だけ。  
ビルバオはトラムのあるグリーンな街でもあります。
無骨な鉄から見事にイメージを転換しました。
トラムの駅には運行案内サイネージ。スマートです。
---いつものように、ちょいとサイネージを探してみましょうか。
 
あるある、メトロの改札にもみな小型かわいいサイネージ。
イイね!
魚屋さんサイネージてものを初めて見ました。
いいアンコウが入ったよ。
ディスプレイの下ではオバちゃんが大魚をさばいています。
太陽サイネージ@文化施設。
超巨大なLEDでギラギラ。
趣旨不明です。
ま、いいか。
ARTで復興だから。
実にシンプルな、空港に置かれた6面案内サイネージ。
目前に立つと認識されて、番組がスタートします。
よくできてます。
平日の昼間だというのに、食堂にはバスクを象徴するベレー帽のおじさんたちがカウンターにたむろして、ビールやらアニス酒やらをちびちびやっています。
やはり鉄鋼の、男の町なのかな。
いや、そんなことはないですね。ぼくがワインを頼もうとしたら、おばちゃんが割り込んできて、ウォッカをコップになみなみと注がせ、ひとり酒。つええ。聞けば実はビルバオは昔から女性の町で、一切を女が仕切ってきたので、男どもは秘密クラブを作って料理教室開いたりしていたんだと。
独立運動の続くバスク。スペインやフランスとは全く異なる言葉を持ち、人口の85%がRhマイナスというバスク。
ビルバオのサッカーチームはバスク人しか入れないそうですが、バスク人にしてみればごく当たり前のことなのかもしれません。
大阪都構想ぐらいであたふたする日本の為政とは矜持が違いそうです。
今日のところは、ぼくも混ぜてくださいよ。
ビルバオ・アスレチッククラブの白いピンバッジを胸に挿して、乾杯。

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